兵庫県内+αのオススメの博物館紹介

 

 この記事は𝓞𝓾𝓬𝓱𝓲 𝓞𝓽𝓸𝓰𝓪𝓶𝓮 𝓐𝓭𝓿𝓮𝓷𝓽 𝓒𝓪𝓵𝓮𝓷𝓭𝓪𝓻 2023 12/21の記事です。他の方々の記事はこちら

 

 

はじめに

 皆さん、こんにちは。神戸大学音ゲーサークルKoBeat所属のあるしえと申します。

 

 さて、本日の記事は、音ゲーとは全く関係のない、あるしえオススメの博物館について、徒然なるままに書いていこうと思います。最後まで読んでいただけると嬉しいです。

 

うるせえ音ゲーの話をしろ!という方は、以前書いた、以下の記事でも読んでください(宣伝も兼ねています)。

 

arce1030.hatenablog.com

 

というわけで、博物館を色々と紹介していくわけですが、厳密には博物館ではないような施設もいくつか紹介していきます。まあ「個人的に面白かった、博物館っぽい施設」くらいの感じでの紹介になりますね。

 

また、あくまでも軽い趣味で適当に博物館を訪れているという程度なので、全然まだ行けていない博物館も多々あります。そのため、この博物館がないとか、有名どころが抜けているとか、そういった点も出てくるかと思います。

 

それと、博物館内の写真は、基本的にないです。館内の写真を公の場でむやみに公開するのは、あまり良くないと思うので…(外観の写真等は自分で撮影したものもあります。)

 

以上の点、予めご了承ください。まあ色々言いましたが、気楽に読んでください。

 

こういうパンフレットや入場券は、結構とっておく派です。これでも結構貰い忘れているものが多いです。
一部全然関係ないのも混じっていますが…

 

兵庫県

 まずは、兵庫県内の博物館を、つらつらと書いていきます。順番はほぼ適当です。

 

兵庫県人と自然の博物館

 

www.hitohaku.jp

 

 兵庫県内一つ目は、「兵庫県人と自然の博物館(通称:ひとはく)」です。

 

外観

 

実は、一つ目にこの博物館を選んだのには理由があり、個人的にこの博物館は、最も思い入れのある博物館だからなんですね。

 

というのも、自分は大学の学部時代に、「学芸員*1」の資格を取っており、それを取得するための最後のカリキュラムとして「博物館実習」という単位があったのですが、その際の実習先として選んだ博物館です。まあ、この辺の話を長々としても仕方ないので、話を戻します。

 

場所は、兵庫県三田市という、神戸市の北側にある市にあります。神戸三宮からだと、電車でやや時間が掛かりますが、駅からは徒歩ですぐなので、アクセス自体は良いです。

 

兵庫県人と自然の博物館HPより

 

 博物館というと、大きく分けて「人文科学系」と「自然科学系」の二種類があります。基本的には博物館というと、そのどちらかに分類されがちなのですが、この「ひとはく」は、その両方の兼ね備えた博物館だと、個人的には思っています。

 

まあメインは自然科学系の内容なのですが、郷土史的な内容の展示も非常に多く、文系理系問わず、非常に楽しめる場所だと思います。

 

また、博物館の規模も非常に大きいです。4階建てで、1-3階が常設展示で、4階では色々な催し物をやっています。

 

兵庫県人と自然の博物館HPより
分かりにくいけど、本当に大きい。

 

常設展示では、兵庫県の自然や、それに伴う人々の暮らしや文化に関する風土的な展示に始まり、兵庫ということで、1995年に発生した「兵庫県南部地震阪神・淡路大震災)」に関するパネル説明もありましたね。

 

他にも、地層の剝ぎ取りや、化石や岩石、鉱物の展示、さらには地球の構造に関するパネル展示まで、本当に幅広い展示がされていました。この辺は、地球科学に興味がある人にはたまらないと思います。

 

あとは、地域連携もしっかりしている博物館だと思います。自分が行ったときは、近くの高校生によるポスター展示が貼られていたり、とにかく地域に着目した展示が多かったです。こういう展示が多くみられるのは、本当に良いですね。

 

「ひとはく」から少し北に行ったところにある山「有馬富士」からの景色。
「ひとはく」は地域の里山保全共生を目指している。

 

 展示の量が非常に多いため、しっかり見て回ろうと思ったら、多分3-4時間は必要だと思いますね。それくらい展示が充実しています。個人的に非常にオススメの博物館です。皆さんもぜひ一度足を運んでいただければと思います。

 

 

バンドー神戸青少年科学館

 

www.kobe-kagakukan.jp

 

 次に紹介するのは、「バンドー神戸青少年科学館(以下、バンドー)」です。

 

バンドー神戸青少年科学館HPより
外観

 

この博物館は、正式には「神戸市立青少年科学館」というそうですが、「バンドー化学株式会社」という、神戸で創業した製品メーカー会社が提携かなんかしているそうで、この愛称で呼ばれています。詳しくは自分も知りません。

 

「バンドー」は、「ポートアイランド」と呼ばれる、神戸三宮の南側に位置する人工島にある施設で、「ポートライナー」という公共交通機関に乗って行くことができます。駅からは徒歩数分なので、アクセスは良いです。

 

 さて、この博物館は、個人的には神戸の科学館と言えばココ!というような博物館です。皆さんが想像するような科学館が、そのまま体現されたような場所です。

 

身の回りの物理や化学に関する現象から、情報、宇宙、生命など、非常に幅広い分野を網羅しています。見て回っていて全く飽きないですね。大きく分けて、6つも展示室があります。なかなかのボリューム。

 

また、科学館と言えば、やっぱりアレですよね、プラネタリウムですね。これもあります。市内唯一だそうです。

 

 あと何より、個人的に特筆すべきなのが、「体験型展示」の多さですね。博物館というと、資料が展示されていて、それを観覧するというスタイルが普通かもしれませんが、「バンドー」は、「実際に動かしてみよう、やってみよう」的な体験をさせてくれる展示が非常に多かったです。

 

こういうのが多いのは良いですよね。やっぱり科学系の説明って、どうしてもイメージしづらい部分もあるので、実際に見たり動かしたり、「遊び」ながら学ぶことができるというのは、大変魅力的に感じます。

 

実際、自分が行った時も、親子連れで来ている方が多かったです。小さい子供でも十分楽しむことができるということなんでしょうね。結構ワイワイしていました。

 

 「The 科学館」と言えるような、科学に関する様々な内容が体験しながら楽しめる「バンドー神戸青少年科学館」、ガッツリ科学に触れたいという方には、是非オススメしたいです。

 

 

明石市立天文科学館

 

www.am12.jp

 

 次に紹介するのは、「明石市立天文科学館」です。

 

外観

 

場所は、JR明石駅から、徒歩で15分くらいです。割と住宅街の中を突っ切った記憶があります。なんか山陽電車でより近い駅があるそうですが、こちらは乗ったことがないので知りません。

 

 さてこの科学館、「天文」とついているので当然宇宙に関する展示が多いのですが、それ以外にも注目すべき展示があります。

 

皆さん、明石市といえば、何を思い浮かべますか?

 

 

そうですね。東経135度、日本の標準時子午線が通っている市として有名ですよね。

 

なんとこの科学館、その標準時子午線の上を通るように建てられています。というわけで、ここでは天文の他にも、「時間」をテーマにした展示も数多く行われています。こういうその場所ならではの展示がされているのは、なかなか興味深いですよね。プラネタリウムもあります。

 

展示内容としては、時計や望遠鏡など、天文と時の両方に関する展示やその両方を絡めたような展示が多かったです。隕石の展示もありましたね。自分が訪れた時は、特別展として、「天体写真展」という、その名の通り様々な天体の写真が飾られたスペースがありました。

 

 そして、個人的に非常に良かったのが、この科学館、展望台があるんですね。回廊のようになっていて、360度見て回ることができます。

 

展望台からの景色。
奥に見えるのが、明石海峡大橋

 

 あと、これはあまり関係ないですが、自分が訪れた際に、地域の中学生によって作成された、手作り感満載のキャプション*2が貼ってあったのが印象的でした。

 

実はこれ、「トライやる・ウィーク」と呼ばれる、兵庫県の中学生が行う職場体験的な活動なんですね。自分も神戸に住むようになってから初めてこの名称を知りました。恐らくこの科学館でも生徒を受け入れていて、その一環で作成したものなのだと思います。

 

実際に博物館の学芸員が、どのようなことをやっているのか、その一端を地元中学生に知ってもらえる、そしてその成果を一般の人にも見てもらえるというのは、大変良いですよね。こういう受け入れは、是非他の博物館でもやってほしいです。

 

 天文、そして時間に関する展示が多くなされている科学館です。興味のある方は是非訪れてみてください。

 

これは帰りに食べた明石焼き

 

 

玄武洞ミュージアム

 

genbudo-museum.jp

 

 次に紹介するのは、「玄武洞ミュージアム」です。

 

この博物館は「玄武洞」と呼ばれる、国の天然記念物に指定されている公園にちなんだ施設です。

 

 まず、この「玄武洞」について、簡単に説明したいと思います。「玄武洞」とは、昔の火山活動によって流れ出したマグマが冷えて固まった際に、規則正しい六角形の割れ目(柱状節理)ができ、それが洞の形で残ったものです。「玄武岩」の名前の由来となった場所だそうです。細かい説明は面倒なので、気になる方は、ウィキでも読んでください。

 

玄武洞公園

 

自分がここに訪れたのは3年以上前で、当時同じ学科の友人たちにドライブに行こうと誘われ、レンタカーに乗って訪れたのが、この場所でした。大迫力でしたね。

 

ただ、問題は場所でした。この玄武洞兵庫県のかなり北の方にあり、神戸から車で数時間は掛かりました。かなり遠かったです…

 

Wikipediaより
本当に遠かった。

 

一応電車でも行くことはできますが、駅と玄武洞がそれぞれ川の対岸にあり、なんか渡し船を事前に予約するらしいです(そもそも電車でもめちゃくちゃ遠い)。

 

駅と玄武洞の間を、川が見事にぶった切っている。悲しい。

 

玄武洞ミュージアム」の駐車場から撮った写真。
多分、対岸に駅がある。

 

 さて、この「玄武洞ミュージアム」ですが、当然ながら「玄武洞」に関する展示がメインですね。玄武洞の誕生から、発見、その後の調査結果などを詳しく知ることができます。

 

玄武洞ミュージアムHPより
外観

 

この博物館は2階建てで、1階には、岩石や地質に関する展示が豊富です。玄武岩のできかたや、日本列島の形成に関する展示も多くありましたし、前述の柱状節理も展示されていました。2階は、鉱物や化石の展示が多くなされています。

 

当時自分がこういう地質系の分野に興味を持っていたこともあり、非常に面白かったです。まさに、地質・岩石系の内容に特化した博物館という感じです。

 

 地質系に興味のある方は、大変楽しめると思います。神戸からは遠いですが、オススメの博物館です。

 

 

 ここからは余談ですが、この玄武洞、すぐそこ(玄武洞駅から一駅)に城崎温泉があり、「玄武洞ミュージアム」を出た後に、友人たちと少し散策しました。

 

ええねえ。

 

あと、なんかロープウェイで山の上の方にある展望台に行けるということだったので、行ってみました。

 

城崎温泉の町並みを一望。
奥には日本海が見える。

 

玄武洞ミュージアム」に行った際は、是非城崎温泉の方にも足を運んでみてはいかがでしょうか(普通は逆かも)。

 

 

野島断層保存館

 

www.nojima-danso.co.jp

 

 次に紹介するのは、「(北淡震災記念公園)野島断層保存館」です。

 

外観

 

この施設は、「野島断層」と呼ばれる、1995年の「兵庫県南部地震」によって、兵庫県淡路市の北西部に現れた巨大な断層を、現物そのままで保存しているという、非常に貴重な展示がなされています。

 

自分がこの施設を訪れたのは、実は趣味で来たわけではなく、学科の実習で来る機会があったからなんですね。行くと決まった時から大変楽しみでした。

 

場所は淡路市ということで、当然淡路島です。当時は現地集合だったので、学科の友人たちと車で行きました。なんか船で来たという人もいましたね。

 

野島断層保存館HPより

 

 さて、この保存館、目玉は何と言っても生の断層です。

 

間近で断層を見ることができて、断層断面のズレによる境界がくっきりと見えていたのが印象的でした。もちろん断面だけではなく、断層によって生じた地表面の様々な変形も見ることができます。こればかりは、是非とも現地で見てほしいですね。

 

断層以外にも、「メモリアルハウス」という、断層にすぐそばに残っていた家を公開しています。中に入ることもできて、当時の地震による家具の倒壊が再現されていました。

 

他には、「震災体験館」というものもあり、その中で実際に揺れを感じることのできる体験コーナーがありました。確か「兵庫県南部地震」と2011年の「東北地方太平洋沖地震」の2つの揺れを体験することができて、本来ならその揺れ方の違いとかを体感することができるのですが、HPによると、今(2023/12/18時点)は、機械の故障でやっていないみたいです。

 

 「兵庫県南部地震」を地質学的な観点から知るうえで、この上なくベストな施設だと思います。皆さんにも是非訪れていただきたいです。

 

 

人と防災未来センター

 

www.dri.ne.jp

 

 次に紹介するのは、「兵庫県南部地震」繋がりで、「人と防災未来センター」です。

 

外観

 

前述の「野島断層保存館」は、主に野島断層やそれに関連した地質的な内容が多いのですが、こちらは、「阪神・淡路大震災」そのものにフォーカスした、まさに震災の経験や教訓を後世に残すための施設と言えるでしょう。

 

神戸に住んでいる身としては、やはり一度は訪れておくべき施設だなと思い、今年2023年の春に赴きました。

 

場所は、最寄駅からでも徒歩10分程度と、やや歩きます。自分は神戸三宮から歩いたので、かなり掛かりましたが、まあ気候的にちょうどいい散歩になりましたね。

 

人と防災未来センターHPより

 

 この施設、「阪神・淡路大震災」に焦点を当てた施設なので、館内には当時の資料や映像、そして防災・減災に関する展示がたくさんありました。

 

観覧は順路が決まっていて、まずエレベーターで4階に上がったら、大きなホールで巨大な映像や音響で、当時の震災の疑似体験映像が流れます。なかなかの迫力でした。

 

その後は、震災後の町並みを再現した通路を通って、次はまた映画館みたいな大きいホールで、震災からの復興をテーマにしたドラマを視聴しました。

 

これらを見終わったら、3階に移動して、当時の資料や体験談、復興までの過程に関する展示を見ていくという感じでした。個人的にこのフロアが、この施設の一番重要なフロアだと思います。

 

2階では、防災・減災に向けた取り組みに関する展示や、ワークショップなどが行われるスペースがありました。

 

 また、この「人と防災未来センター」、外観写真からもわかるように、2つの館で構成されています。

 

これまで紹介してきたのは「西館」なのですが、2階の連絡通路から「東館」に移動することができて、こちらの館では、主に体験型の展示がなされており、実際に体験しながら、遊びながら、震災について学ぶことができる空間となっています。特に子供なんかが、楽しみながら学ぶことができるような、そんな場所でした。

 

 「阪神・淡路大震災」は自分は直接体験したわけではありませんが、やはり当時の資料や映像などを見ると、色々と考えされられます。やはり地震大国の日本に住んでいる身として、地震による震災がどのようなものだったのかを知ることは、非常に意味のある、大切なことだと、改めて気づくことができたと思います。

 

阪神・淡路大震災」を知る場所として、一度は訪れてほしい施設ですね。皆さんも是非訪れて、震災の悲惨さ、恐ろしさを追体験してもらえればと思います。

 

 ちなみに、神戸三宮から少し西に行ったところにある「メリケンパーク*3」という場所に、震災によって被害を受けた波止場が保存されている、「神戸港震災メモリアルパーク」という場所があります。写真の展示もあります。こちらも是非行ってみてください。

 

 

 

 また少し余談ですが、この「人と防災未来センター」、海沿いに建っており、その近くには、遊歩道があります。神戸三宮で音ゲーをした後、いつもは電車で帰るのですが、天気が良く気温もちょうど良ければ、たまにこの辺を歩いて帰ることがあります。非常に気持ちいいです。オススメのお散歩スポットです。

 

海沿いなので、景色も良い。

 

また、「人と防災未来センター」のすぐそばに、「兵庫県立美術館」もあります。自分はその時はついでに寄ったのですが、こちらも大変面白かったです。今回は「兵庫県立美術館」の紹介はしませんが、こちらも併せて、セットで訪れるのも良いかもしれませんね。

 

 

神戸市立博物館

 

www.kobecitymuseum.jp

 

 次に紹介するのは、「神戸市立博物館」です。

 

外観、というか入口。

神戸市立博物館HPより

 

いや、名前的にもっと序盤で出すべきだろという方もいるかもしれませんが、順番は適当なので、このタイミングになりました。まあ強いて言えば、自然科学系の博物館を先に紹介したかったというのはあります。

 

場所は神戸三宮の市街地にあり、駅から歩いていくことができます。建物そのものが結構特徴的なので、非常に分かりやすいです。

 

神戸市立博物館HPより

 

 さてこの博物館、これまで紹介してきた自然科学系の博物館ではなく、郷土歴史系の博物館と言うべきでしょう。神戸の歴史を学ぶための博物館ですね。

 

常設展示は1階と2階に分かれていて、1階は神戸の歴史に関する資料や説明などを時系列に沿って展示しており、2階は歴史的価値のある史料が色々と展示されているそうです。1階は無料で観覧できます。

 

自分が行ったときは、1階しか回らなかったので、今回は1階の神戸の歴史に関する展示のみ紹介します。

 

展示内容としては、港湾都市としての神戸の成り立ちの様子をメインに扱っています。諸外国との交流や、文化の発展について、資料や模型、ジオラマなど様々な展示を見ることができます。どれも非常に興味深かったです。

 

特に、デジタルマップ的なものを操作して、過去の神戸の街並みを散策するという展示はなかなか面白かったです。こういう展示は、郷土歴史を扱う博物館でしかできませんからね。

 

他には、ちょっとしたシアタールームもあり、「神戸開港シアター」という映像作品も見ることができました。

 

個人的には、展示の量はかなり多かったと思います。じっくり見ていたら結構時間が経っていました。満足感が結構すごかったです。

 

 神戸の歴史や文化の発展などを体感する場所としては、最適だと思います。非常にオススメです。

 

 

兵庫県立兵庫津ミュージアム

 

hyogo-no-tsu.jp

 

 兵庫県内で最後に紹介するのは、「兵庫県立兵庫津ミュージアム」です。

 

場所は神戸市街地からは少し西に行ったところですかね。結構最近できた博物館です。

 

 

一応近くに最寄駅がありますが、自分はJR兵庫駅から歩いていきました。全然歩いて行けます。

 

まず、この博物館は、「ひょうごはじまり館」と「初代県庁館」の2つで構成されているので、まずは「ひょうごはじまり館」から紹介しようと思います。

 

 というわけで、まずは「ひょうごはじまり館」です。

 

外観(?)、ただの看板。

 

この博物館も、前述の「神戸市立博物館」と同様、郷土歴史系の博物館です。ただ、こちらは「兵庫津」と呼ばれる「兵庫県発祥の地」に焦点を当てており、兵庫県の成り立ちや海陸交通の発展が、より詳細に分かる展示となっていました。

 

展示の方法も、プロジェクションマッピング的なものや、映像を多用していて、非常に分かりやすかったですね。文字情報ばかりだと、馴染みのない分野はやっぱりついていけなくなることもありますからね。ありがたいです。

 

上記の常設展示の他にも、シアタールームやギャラリーもあるそうです。自分はその時は行きませんでしたが、こちらも面白そうでしたね。

 

 そして、もう片方の施設である、「初代県庁館」も紹介したいと思います。

 

外観(?)、こちらもただの看板。

 

こちらは、初代県庁舎を復元した施設となっており、「ひょうごはじまり館」とセットで訪れることができます。

 

中には県庁舎を再現した建物を中心に、様々な建物が展示されていました。適当に散策しているだけでも面白かったです。あとなんかカフェスペースもあるみたいですね。

 

 以上、「兵庫県立兵庫津ミュージアム」でした。郷土歴史に興味のある方は、前述の「神戸市立博物館」も併せて訪れると良いかもしれませんね。

 

 

兵庫県

 ここからは、兵庫県外の博物館や施設について紹介したいと思います。

 

大阪市立科学館

 

www.sci-museum.jp

 

 まずは、「大阪市立科学館」です。

 

外観
天気が微妙。

 

この科学館は、関西では結構有名ですかね。大阪の自然科学系博物館と言えばココ!みたいなところがあります。

 

最後に行ったのが、もう4年半以上も前なので、今更オススメするのもアレですが、まあオススメなことには間違いないので、紹介します。

 

場所は大阪梅田近辺ですね。市街地の中にあります。阪急の大阪梅田駅から多少歩いたような記憶がありますが、それでも大した距離ではなかった気がします。

 

大阪市立科学館HPより

 

 さて、この科学館は大阪の中心街にあるということもあり、規模もさることながら、観覧者の数も非常に多かったですね。わいわいがやがやしていました。流石大阪の科学館といったところです。

 

展示内容は、前述の「バンドー」同様、科学館といえばという展示が目白押しでした。

 

まずは4階に上がって、宇宙や地球に関する展示です。あんまり憶えていませんが、でっかい地球儀的なものがあった気がします。

 

次に3階に降りると、今度は化学に関する展示です。やっぱりこのあたりも科学館には欠かせませんね。岩石や鉱物に関する展示も多くありました。

 

2階や1階は、体験型展示が非常に多かったと思います。実際親子連れが大変多く、子供たちがキャッキャ言いながら色々な展示を体験していました。やっぱり科学館は、こういう体験型展示を通じて、子供でも楽しく理解できるような仕組みを前面に押し出せるのが、非常に良いところですね(その分、維持やメンテナンスが大変かもしれませんが…)。郷土歴史系の博物館ではなかなか難しいですからね。

 

そしてやっぱり、科学館といえばプラネタリウムですね。ここにも見事なプラネタリウムがあり、自分が行ったときは、人でごった返していました。いやはや、すごい。

 

 関西(特に大阪)に住んでいる人なら、一度は訪れておきたい科学館です。HPによると、現在(2023/12/20時点)は、リニューアル工事のため、2024年の夏まで休館しているそうです。リニューアルしたら、また改めて行ってみたいですね。

 

 

福井県立年縞博物館

 

varve-museum.pref.fukui.lg.jp

 

 次に紹介するのは、「福井県立年縞博物館」です。

 

外観

 

この博物館は、「ひとはく」に並ぶくらい(もしかしたらそれ以上)に、オススメしたい博物館です。今の自分を形作っている博物館と言っても、過言ではありません。

 

 

 というのも、自分は大学では地球科学系の学部に所属していて、入学した当時は、どちらかというと宇宙方面に興味がありました。

 

学部2年の時のゴールデンウイークに帰省した際、親に「地層を見に行こう」と言われ、やってきたのがこの博物館でした。まあ当時は正直そこまで乗り気でもありませんでした。

 

しかしながら、いざ見学してみると、本当に面白い。終始「年縞」の展示に夢中になっていました。この時を境に、宇宙から地質方面に興味を持つようになり、同時に博物館そのものにも興味を持ちました。

 

この博物館を訪れていなかったら、今の自分はいないでしょう。それくらいに思い入れのある博物館です。

 

 

 自分語りなんかしても誰も興味ないと思うので、博物館の紹介に戻ります…

 

場所は、福井県若狭町で、「三方五湖*4」と呼ばれる5つの湖の一つ、「三方湖」のほとりにあります。最寄駅の三方駅から徒歩で20分くらいですかね。まあまあ歩きました(学部3年の冬に、神戸から一人でもう一度行きました)。

 

他には特に何もないです。

 

三方駅

 

 さて、この博物館を紹介するに当たって、「年縞(ねんこう)」について少しお話したいと思います。本音を言うと、この年縞の解説だけで1つ記事を書きたいくらいですが、趣旨が変わってしまうので、ここでは簡略に済ませます。

 

PCで「ねんこう」って打っても一生予測変換されなくて、毎回「ねん」「しま」って分けて打ってる。地味に面倒。

 

そもそも年縞とはなんぞや、という話ですが、簡単に言うと、縞状の湖底堆積物のことです。

 

この縞状というのがポイントで、三方五湖の一つ、「水月湖」の湖底では、春から秋はプランクトンの死骸が、晩秋から冬にかけては微小な鉱物質が、堆積物として毎年一層ずつ堆積しているんですね。

 

つまり、1年間でこの2種類の色が異なる堆積物から成る縞模様が1つできる、ということになります。

 

これが湖底の堆積物として毎年積もっていき、現在では約7万年分の縞模様が堆積しているとされています。これが「年縞」です。

 

この年縞を解析することで、古環境(自然環境や災害)を知る手がかりを得ることができるわけです。そして、なによりも一番面白いのが、この縞模様を1つずつ数えれば、それが何年前の縞模様かが分かるという点です。単純な話、上から1,000枚目の縞模様は、今から1,000年前にできたということになりますからね。つまるところ、「年輪」の堆積物バージョンみたいなものです。

 

ではこの年縞、湖ならどこでもできるのかというと、決してそうではありません。年縞を形成するためには、いくつもの好条件が必要であり、この福井県水月湖は、それを見事に満たしていた、世界的にも珍しい、まさに「奇跡の湖」だったのです。

 

できればその辺りも解説したいところですが、流石に長くなりそうなので、知りたい方は、以下のHPをご覧ください。詳しく載っています。

 

satoyama.pref.fukui.lg.jp

 

 さて、そろそろ博物館の話に戻ります。思ったより長くなりました…

 

この博物館は、当然ながら年縞の展示がメインなのですが、その展示を見る前に、小さいシアタールームに通され、年縞とは何かについての解説映像を見ます。初めて来たとき、自分はこの時点でもう引き込まれました。

 

その後、この博物館の要である、年縞の展示を見ることができます。約7万年分の年縞が、時系列で45mにわたってズラッと並んでおり、非常に圧巻です。ステンドグラスに入った年縞を、歩きながら眺めます。

 

他には、人類の歴史を年縞と共に辿るパネル展示や、年縞を使用した年代測定の解説、年縞研究の歴史など、年縞に関する様々な展示を見ることができます。どれも大変興味深いです。

 

また、博物館内にカフェが併設されており、一人で行った際に立ち寄って、「年縞バーガー」的なものを食べました。

 

暗い…

 

ぱっと見ただの背の高いサンドイッチみたいですが、実はこれ中央に筒が刺さっていて、これを抜くと…

 

 

なんとボーリング調査をしたかのような、地層の断面を模しているんですね。こういうの面白いですよね。この年縞博物館でしかできないメニューだと思います。まあ中に詰まっている分は食べられませんが…

 

 地質が好きな方は必ず訪れるべき博物館だと思います。本当にオススメです。皆さんも是非「年縞」の面白さを知ってほしいと思います。

 

水月湖

 

 ちなみに、この年縞博物館のすぐそばに、「若狭三方縄文博物館」という施設もあります。自分は昔一度訪れました。こちらも併せて見学してみてください。

 

 

仙台市立荒浜小学校

 

arahama.sendai311-memorial.jp

 

 最後に紹介するのは、「震災遺構 仙台市立荒浜小学校」です。

 

外観
当時は雨でした。

 

まあ流石にここは博物館かと言われると違うと思いますが、非常にオススメしたい施設なので、最後に紹介したいと思います。

 

場所は、宮城県仙台市です。海の近くですね。公共交通機関だと、仙台駅から電車とバスで行くみたいです。

 

 

 自分がこの場所に行ったのは、去年の9月下旬頃で、当時自分と同じような研究分野(地震に関する分野)の学生や研究者が集まる勉強会みたいなものが、仙台市で2泊3日で開かれていて、それに参加していました。

 

仙台市で行われるということで、メインのトピックは「2011年東北地方太平洋沖地震」でした。皆さんも記憶に新しいと思います。

 

その最終日に、希望者のみで、この「荒浜小学校」を見学するというプログラムがあり、それで訪れたという感じです(貸し切りバスで行きました)。結構たくさんの学生が参加していましたね。

 

 さて、そもそも「荒浜小学校」とはどんな場所かというと、上記の東北沖地震による津波によって、甚大な被害を受けた小学校で、現在は震災遺構として保存されている施設です。

 

上の外観の写真は、正面から撮影したものですが、側面の海に面している側は、津波によって壁や窓、鉄柵などが破壊されており、津波の威力の凄まじさを改めて感じましたね。

 

中に入ることもできて、中ももちろん、当時の状況がほぼそのまま残されており、パネルによる展示で、津波によって学校内に流れ込んできた大量の瓦礫の写真がいくつも掲載されていました。

 

また、4階では、荒浜地区や荒浜小学校の歴史や文化に関する展示がなされていたり、関係者の当時の証言や記録などをもとにした、地震発生から避難者救出までをまとめた映像を見ることができます。

 

 震災当時、は自分は地元の福井に住んでいて、ニュース映像などで間接的にしか震災の被害を知ることがなかったのですが、こうして直接被害の状況を見ることで、いかに津波による被害が大きかったのか、その脅威を改めて知ることができました。

 

バスの中から撮った海沿いの木。
津波によって大きく曲がっている。

 

東北地方太平洋沖地震が発生した時代を生きている人間として、ここを訪れたことは大きな意義があると感じました。皆さんも一度訪れてみることをオススメします。

 

 

 余談として、仙台から神戸に新幹線で帰る際、駅弁として牛タンのお弁当を買いました。まあ仙台に来たし、流石にね。

 

紐を引っ張ると温まるタイプのやつ。

 

 

おわりに

 博物館をここまでいくつか紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

 

他にも訪れた博物館や施設はまだまだあるのですが、今回はオススメ度の高いものを選んで取り上げました。

 

この紹介をキッカケに、博物館に少しでも興味を持ってもらえると、嬉しい限りです。

 

以上、博物館紹介でした。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

 

流石になんか違うかなと思って、今回は紹介しませんでしたが、
めちゃくちゃ楽しかったのでオススメです。

 

*1:簡単に言うと、主に博物館で勤務する研究者のことで、資料の収集、保存、調査・研究、展示を通じて、市民への社会教育や生涯学習の場を提供する人のこと(あくまでも、自分の中での解釈です)。

*2:展示資料の説明文のこと。

*3:神戸を代表する観光スポット。詳しくは以下のHPをご覧ください。

www.feel-kobe.jp

*4:三方湖水月湖菅湖久々子湖日向湖の5つの湖が集まって存在しており、これら5つの湖の総称として、「三方五湖」と呼ばれる。